帝国移住法は、渡りに舟のタイミングで施行されました。
ほぼ1世紀以上にわたり無制限に移民の受け入れを行ってきたアメリカは、割り当て移民制度の導入を決定しました。
1921年、1924年に議会を通過した法令は、主として南ヨーロッパ人の移住を抑制することを目的としていたのですが、同時にアメリカに永住することができる英国系移民の数にも制限を設けました。
帝国内の国々は、英国系移民を暖かく迎えてくれる移住天国になろうとしていました。
しかし、こうした努力にもかかわらず帝国内への移民の数が、第一次世界大戦以前のピークに達することは2度となかったのです。
しかし、帝国内への移住志向が高まっていたのは事実でした。
19世紀の典型的な英国系移民はアメリカに向かったのですが、1920年代の移民はカナダ、オーストラリアへと向かう傾向にありました。
帝国内への移住拡大へ向けての政策転換が続けられていたにもかかわらず、英国系移民の質は、彼らに高い期待感を抱いていた多くの人々に失望感を与える結果に終わってしまいました。
1932年の上申書の中で、援助を受けた英国移民者の数は戦前の水準の半数にも及ばず、大幅な変動を示しています。